Monday 31 October 2011

素敵な牙ね。

用事があってあるオフィスに行ったら真っ黒のレースのドレスを着た女性がかけこんで来て彼女のデスクにつきました。私と話していた女の子がにっこりして彼女にHappy Halloweenと言うのを耳にして初めて思い出す。そうでした、忙しくてすっかり忘れていた。

さて、受付に行くとなんだかそこの女の子の口紅がにじんでいる。彼女が近づいてきてよく見たら(私、近視なのです)それは血糊で、笑顔から2本の牙がのぞいていました。
なるほどね。

”Nice fangs!”
と声をかけると、ふふふっと笑う彼女。

帰宅して息子にごめん、忘れてたよハロウィーン、お菓子欲しい?と聞くと、いや別にという答え。
なんだか罪悪感・・・別にかまわないんだろうけどちょっと罪悪感・・・。
とりあえず来月分のおこづかいあげました。

ハッピーハロウィーン♪

Sunday 30 October 2011

きょうのブランチ

今日は時計を1時間遅らせる日です。
目を覚ましたのが何時であれ、夏時間になる時と違って1時間得した気分になれて嬉しい瞬間。
でもこれからどんどん日照時間が短くなっていくんですけど。

さて、そんな今朝のブランチ。
朝、ケーキでも作るかと梨をバターとジャガリーでソテーしていたら茶助が降りてきてoat cake(オーツのビスケット)を作り始めたので、なぜだか頭が混乱してしまい、結局ソテーした梨はスライスしてバターをたっぷり塗ったパンにのせ、オーブンでトーストしました。
キャラメル化した梨とサクッとした白パンがなかなか合います。

オーツのビスケットはカナディアンチェダーと先日作ったチャツネをのせて。
カナディアンチェダーはSainsbury'sでセールになっていたので買ってみたけれど、パルメザンチーズのように濃厚でリッチで、風味の強いチェダーが好きな私や夫にはおいしかったです。

Thursday 27 October 2011

サンシャインとココナッツのスープ

昨晩はサンシャインかぼちゃを使ってパンプキンスープをこしらえました。
ピーラーで気になる部分だけを薄く削り取り、ワタと種を取り除いたら皮ごとスープに。
いつもと違うのは最初にナツメグ、コリアンダーパウダー、フェヌグリークパウダー、カイエンヌペッパー、クミンシード、生姜を炒めてからにんにく、玉葱を炒めたことと、仕上げに固形ココナッツミルクを大匙1ほど加えたことです。
器に盛ったら黒胡椒とちぎったコリアンダーを散らして、スパイスの香るアジアンなパンプキンスープに。
さらにお好みでライムを搾っても。

これはJamie's Dinnersのこのレシピからヒントを得ました。
Jamieのこのスープも茶助が数年前に作ってくれましたがとってもおいしかったです。こんなレシピを考えちゃうところがさすがJamie。

Wednesday 26 October 2011

果物

今日はまた果物をたくさんもらってしまいました。
行儀よく並んでいるのはブラムリーアップル。以前にも林檎をくれた友人にまたいただいたもの。今回もひとつひとつキッチンペーパーでくるんで傷まないようにと大事に大事に運んできてくれたのです。こういう頂き物ってとても尊い。
その他の果物は別の知人から。台所に果物がたくさんあると気持ちが豊かになりますね。

ちなみに左端に写っている「肥後のいっちょ残し」はひとつ前の記事のたまごスコーンのバナナバージョンです。粉の100gを全粒粉に替えて、ヨーグルトの替わりにようく熟れたバナナを1本使います。そして生姜粉とシナモンパウダーをたっぷりと。 生地がたまごスコーンのようにゆるゆるにならないのでミルクを様子をみながらちょっとずつ加えました。
1本だけフルーツボウルに残ったバナナ、誰も手をつけないまま日数が経って真っ黒になったなんてことないですか?(うちだけですか。) そんなバナナは香りが「ワタシ熟してます~」って感じでアピールしてきてケーキにぴったり。皮は変色しても中身はきれいなままなんです。私はよくわざと黒くなるまで待ってこういうアドリブお菓子やパンケーキ、塩バナナマフィンなどに使っています。

バナナって全粒粉と愛称がいいな。

Tuesday 25 October 2011

たまごスコーン

画が地味ですが、今ウチでいちばん人気のおやつです。
なんてことない焼き菓子なのに、その素朴さゆえについつい手が伸びてしまうのかな。
ある日朝ごはんにスコーンを作ろうとしたらベーキングパウダーもミルクも生クリームもなかったのですが、そのおかげでできた甘食のような食べ物。お砂糖を自分でもびっくりするくらい思い切って入れましたが、甘すぎないのが不思議。。。それとも私の舌がイギリス化したのか?

材料9~12個分
  • 薄力粉300g  
  • ライトマスカヴァドシュガー/黒砂糖100g
  • 重曹 小さじ1/2
  • 有塩バター 75g
  • M卵 2個
  • プレーンヨーグルト120ml  
1. ボールに薄力粉、砂糖、重曹を入れよく混ぜ合わせる。
2. 卵を溶き、ヨーグルトを加えて混ぜる。ヨーグルトはfull fatのこってりタイプのものを。日本のだとナチュレが近いかもしれません。
3. 冷えたバターを1cm角くらいのキューブに切り、1に入れたら指先ですり潰す。粉全体がパン粉のよう な状態になったらOK。
4. 3に2を加えテーブルスプーンでぐるぐると全体が合わさるよう混ぜる。だいたい8回ぐらいぐるぐるやるとねっとりとやわらかめの生地ができます。
5. オーブンシートを広げたトレイにスプーンですくった生地を間隔を開けて9個落とす。粘つくのでスプーンふたつでやると手早くできます。または12個用のマフィントレイにオイルを塗って直接落としても。外側のサクッとした感じがより楽しめます。
6. 175度に温めたオーブンで15分から20分焼けば完成。うちのはファン付きなのでこの温度ですが、そうでないオーブンであれば190度か200度くらいかと思います。

スコーンやパイ生地(short crust pastry)を作るときにバターを先に粉に入れるのは、バターの油で粉をコーティングしてグルテンを出にくくするという科学的な根拠があるのだそうです。Great British Bake Offの番外編で審判の男性が言っていました。彼はフォカッチャを作りの工程も披露してくれたのですが、目からウロコがぽろぽろのコツをたくさん教えてくれ、とてもに勉強になりました。
イギリスの料理番組、大好きです。

Saturday 22 October 2011

スパイシーコーンブレッド

”アドリブで作ったものが意外においしくできてしまった”ってこときっと誰にでもあるのではないかと思います。タタン姉妹のタルトタタンも、イギリスのベイクウェルタルトも失敗かと思われたもの(あるいは間違って作ったもの)が出来上がってみれば名物になるほどのお菓子にできあがっていたというのが一応の定説のようです。言ってみれば怪我の功名?いえいえ、タルトタタンなぞシェフの知恵と才能のなせるわざなのかもしれません。

そんな有名なお菓子と比べるつもりは毛頭ないのですが、うちでも先日そんな意外においしくできてしまったものが。
いつものコーンブレッドを作っていて、生の唐辛子がなかったのでカイエンヌペッパーを入れてみようと蓋をあけて、無精してスプーンも使わずに瓶を振ったら「ファサッ」と音がするほどその真っ赤な粉が入ってしまいました。ひえ~~~と思うも、一か八かこのままやってまえと思い焼いてみたら、意外や意外、しっかりとチリのきいたスパイシーコーンブレッドができあがったのでした。

作ってみようと思われるチャレンジャーさん、どうなっても責任はとれませんよ。

材料4人分くらい
  • 粗挽きコーンミール  125g
  • 薄力粉          125g
  • ベーキングパウダー 小さじ2
  • 重曹          小さじ1/2
  • 自然塩         小さじ1/2~1
  • カイエンヌペッパー  大さじ1~2
  • ブラウンシュガー/黒糖 小さじ1
  • とうもろこし       1カップ
  • お好みのチーズ    半~1カップ
  • 卵             2個
  • プレーンヨーグルト  160ml
  • 牛乳           150ml 
  • 溶かしバター      25g~30g
  1. オーブンを余熱200度に温める。
  2. だいたい25cm×35cmのパイレックス、または同じくらいの大きさで高さが4cm以上あるオーブントレイの内側にバターまたはオイルをまんべんなく塗る。
  3. 材料のコーンミールからブラウンシュガーまでをボウルに入れ、泡だて器でよく混ぜ合わせる。
  4. とうもろこしとチーズを加え、さらに混ぜる。
  5. 別容器に卵、ヨーグルト、ミルク、バターを入れ混ぜ合わせる。
  6. 4の真ん中にくぼみをつくり5を入れ、全体をさっくり混ぜ合わせる。この時にしっかり混ぜ合わせなくともよく、粉の全体に液体がゆきわたるくらいでよい。
  7. 間をおかずに2に流し入れ広げたら200度に温めておいたオーブンに入れ20分~25分焼く。
  8. 真ん中あたりに箸などを刺してみて、箸に何もつかなかったらできあがり。
※コーンミールはfine(細挽き)の方が好きな方もいるかも。どちらでも大丈夫です。
※塩はバターが有塩か無塩かで調整して下さい。
※チーズはチェダー、パルメザンなどいく種類か試してみましたが、個人的にWensleydaleのようなcrumblyで白いチーズがよく合うと思いました。
※液状の材料を粉状の材料に入れたらヨーグルトと重曹が反応し始めてそれが膨らみにつながるので、混ぜたらすぐ焼き始めることが大事です。
※十分な大きさの容器がない場合、この半分の量で。焼き時間は同じくらいでよいと思います。

スープやベイクドビーンズ、ポークビーンズなどに合います。

Wednesday 19 October 2011

林檎とブラックベリーのチャツネ

去年の暮れに茶助が同僚の女の子から手作りの林檎のチャツネをもらって来ました。
Nigella Lawsonのレシピで作ったというスパイスたっぷりのそれ、まず息子がとりこになり、次に私に伝染。
チーズに乗せて食べるチャツネがあんなにおいしいだなんて。
あまりにおいしくてそのチャツネを楽しみたいがためにチーズを常備していたくらいで、今年林檎の季節になったら自分でもたくさんチャツネを作って、たっぷり保存しておこうと思ってナイジェラのも含めレシピもいくつか見つけておきました。

だけどBBC1で放映していたロレイン・パスカルの番組を見て彼女が作っていたチャツネにあっさり心変わり。材料がブラムリーアップル、ブラックベリー、玉葱、バルサミコ酢、砂糖、シナモン、黒胡椒とたった7つなのがよかったのとバルサミコ酢とブラックベリーを使うところにわくわくしたのです。お料理にはこのわくわくがけっこう大事なポイントかもしれません。
レシピはこちらですが、ブラムリーではなくガラという種類の林檎を使い、またグラニュー糖ではなくジャガリーを使いました。ブラックベリーを入れてからもさらに45分ほど煮詰めたのできっと仕上がりが違うとは思いますが、3瓶分できました。
食べてみたら、うん、おいしい!

というわけで気をよくした私、しばらく前に林檎をたくさんくれた友人に一瓶もらってもらおうと、家にあるラッピングペーパーの切れ端やら厚紙などでちょっと贈り物用のお化粧。

最後に、新鮮さが長持ちする林檎の保存の仕方。
お互いがくっつかないように少し間隔をあけて風通しのいいように並べておくと1ヶ月経ってもみずみずしいままです。友人曰く数ヶ月は大丈夫なんだとか。
ちなみにじゃがいもを試しに新聞紙で作った箱に入れ、さらに麻の袋に入れて冷暗所に置いておいたら1ヶ月経っても芽も出ず大丈夫でした。

Sunday 16 October 2011

River Cottage Veg Everyday

肉も魚も食べる雑食ファミリーの我が家ですが、野菜も大好き。
もっともっと野菜料理のレパートリーを増やしたい。
そんな私の考えを見抜いたかのようなHughの新しいレシピ本はそのタイトルもRiver Cottage Veg everyday!。
5センチくらいの厚さのこの分厚いクックブックのすべてが野菜レシピ。前作のRiver Cottage Everydayと同じくイラストはマリコ・ジェッセさんなのがとっても嬉しい。さらに・・・
Hughのサイン!!
きゃいーーーん。
これは私の宝物、いえ、我が家の家宝です。
この上に”For Ume*”(というか私のほんとの名前なわけですが)と書いてくれたのですが本人をすぐ目の前にしたらなんだかフワフワと現実感がなく、”To my biggest Japanese fan”と書いてもらいたかったのに言えませんでした。それがあつかましいからとかではなく、サインを待つ列の前から3番目だった私は後ろに並んだ長~い列を見てあんまり自分にばかり時間をとってもらったら悪いなとか、そんな遠慮をしてしまったのです。
くくくくううう。。。一生に一度のチャンスだったかもしれないのに。
くくううう。

とにかく今夜8時からChannel4で彼の新シリーズが始まります。
全8回。8時からRiver Cottageで9時からDownton Abbey。
しばらくの間、日曜夜はテレビ漬けだ。

追記:上のリンクの見れない方、youtubeで”River Cottage Veg everyday番組の裏側”なんてのがありました。

ミニポークウェリントン?

先週のHome Cooking Made EasyでLorraine Pascaleがミニビーフウェリントンを作っていたのですが、翌日の夕食はそれにヒントを得たこれでした。
使ったのはビーフフィレではなく豚の挽肉。
ラメキンに入ったパンプキンシードを散らしたトマトソースは最近の私のお気に入りです。Arthur Potts Dawsonのレシピ本(このサイトの最下部をご覧下さい)の「茄子のオーブン焼き」にのせるトマトソースなのですが、クリーミーな茄子とトマトの旨みに加えパンプキンシードが香ばしさと食感を与えてくれて、本当においしい一品でした。
サラダはルッコラにローストしたゴールデンビートルート、トーストして刻んだ胡桃、それからちょっと甘酸っぱいドレッシングで和えました。

しかし、このタイトルは看板に偽りありですね。
これじゃミニどころか、巨大なソーセージロールだわ。

マレーシア風マトンのカレー

レシピはこちら
結構材料の数が多いです。家に在庫がないものもけっこうあったので、あるもので代用。
タマリンドはレモンで代用し、マカダミアナッツもなかったので省いて最後に粗挽きアーモンドを加え、ココナッツの果肉はおそらく甘みが欲しいのかな~と推測し、パームシュガー小匙1で代用(強引?)。それからうちはココナッツミルクは缶ではなくいつもココナッツ100%の固形のものを使うので、煮込むときは水のみ300ml投入し、火を止める15分前に刻んだ固形ココナッツ70gを加えてとろみをつけました。
長時間煮込むタイプのカレーのよいところは、こんな風にいじってもそれなりにおいしくできてしまうところ。
カレーは2日目が断然おいしい。翌日のお昼はバゲットとともにいただきました。

ところでイギリスでは仔牛の肉vealはbeefほど一般的ではないのに、羊になるとどうしてラムの方が断然ポピュラーなのでしょう?ほんと、どうして?マトンの方が匂いが強いとか、硬いとか、そういう理由なのでしょうか?

私の唯一のマトン体験はマレーシアで。仕事柄ほとんどの時間を中華系マレーシア人に囲まれて過ごしていたので、マトンは臭いという彼らの意見に洗脳されていた上に、ただ一度食べたマトンのカレーはパサパサしていてまた食べたいと思えるシロモノではありませんでした。

だけどマトンを料理してみたいと思うようになったきっかけは、ラム肉がポピュラーなこの国に来て自分でも料理してみて、ちょっと直接的な表現になりますが、子供(ラム)は食べるのに大人(マトン)は食べないというのはおかしいと思ったのでした。

というわけでどこかでマトンを買えないかと思っていたらAbel&Coleがあつかってくれるようになったので今回注文してみました。2.5キロもの肩肉まるごとは一瞬ひるむほどに大きく、さばくのに1時間くらいかかりました。3分の1ほどカレーに使ったので残りの3分の2はふたつにわけて、骨とともに冷凍庫へ。

ラムが平気な人はマトンだってきっと大丈夫だと思います。
やはりラムほど軟らかくはないので煮込み料理が向いているかな。。。
次はHugh F-Wのマトンと杏のシチューです、たぶん。

Friday 14 October 2011

Squash

スカッシュ(スクァッシュ)といえばバターナットが1年を通して出回っていて馴染み深いですが、今の時期は彼らの存在がかすむほど様々な色や形のスカッシュが出回ります。
いろいろな種類のスカッシュをいっぺんに買って、しばらくの間台所に飾って目で楽しんだあと今日はこれ、今度はこれ、と食べていくのが私の秋の楽しみのひとつなのです。
黄色いのから時計回りにSpaghetti、Cha Cha、Confection、Delicata、Sunshine、そして真ん中のはCha Cha。
Spaghettiはそうめんかぼちゃですよね、きっと。これは今年初めてです。
Cha Chaは私が一番好きな種類で、果肉の色は濃黄で加熱するとほくほくするところが日本のかぼちゃのようです。これは断然パイかなぁ。煮物でもいいな。
Delicataはちょっとねっとりとしたところがこちらのさつまいもに似ています。

これらはイギリスでは全部squashと呼ばれ、pumpkinと呼ばれるものはハロウィーンで使うあの大きなオレンジ色のやつくらい。でも友達がプレゼントしてくれた野菜事典を見てみるとbutternut squashもバターナットかぼちゃと呼ばれていたので、日本ではこれらは全部かぼちゃでいいのでしょう。

そういえば1度スーパーのWaitroseでかぼちゃが”Kabocha”の表示で売られているのを見かけました。Waitroseは地理的に不便なので私は滅多に行くことはないのですが、たま~に行くと品揃えがおもしろくてついついいらないものまで買ってしまいます。
今度”Kabocha”を見かけたらぜひ買ってみよう。

Thursday 13 October 2011

青い蜜柑

昔は運動会といえば秋と決まっていた。
そして私にとっては運動会といえば恐怖の100メートル走(鈍足の人間にとってこれ以上に嫌な競技はない)、なぜか得意だった障害物競走、行楽弁当、栗、葡萄、梨、そして青いミカン。

林芙美子の『放浪記』の中に、彼女が何度目かに故郷を離れる時のことを詠んだ詩があり、その中に青い蜜柑を食べて郷愁を覚えるというくだりが(確か)あった(と思う)。それを読んで思い出した、秋に食べる青いみかんとその酸っぱさ。こちらまでノスタルジックな気分にさせられた。
それで昨冬は あー、青いみかん、食べたいなあ とずっと思っていた。

ところで、イギリスでもみかんは手に入る。Satsumaと呼ばれて売られている。
Tangerineだったりclementineだったりとバラエティーはあるけれど、ようするにmandarinで、ようは”みかん”だと受け止めている。Tangerineやclementineは皮がむきやすくて酸味も少なく、私の中ではぽんかんのようなものだ。
ある日「どうして”satsuma”なのだろう?」と夫に向かってつぶやいたら、
「薩摩からの使者がみかんを持参したからとか、そんな理由じゃない?
薩摩の使者薩摩のみかんでごわす。
   西洋人オー!サゥーマ!!
みたいな。」
ありえる。じゅーーーぶんありえる。

先日食材その他宅配サービスのAbel&Coleでこんなのを読んだ私、念願の青い蜜柑が食べられると喜んで注文した。届けられたsatsumaの入った茶色い紙袋をわくわく、ほんとうにわくわくしながら開けたら、入っていたのは普通にオレンジ色のみかんだった。

・・・青い蜜柑の夢、破れたり。テン テン テン


人生は驚きの連続だ。

Tuesday 11 October 2011

ヘンリー8世の台所

吉本ばななさんと同じく、私もこの世で一番好きな場所は台所かもしれません。
晩ごはんに揚げ物をした日、床のべたつきが気になって始めた掃除が夜の10時過ぎに終わったときなど、ふと「今日はここで寝たい。」と思うこともあるくらい。落ち着くというか、なんというか。

8月にハンプトンコート宮殿を訪れたとき、一番楽しみにしていたのは実はヘンリー8世の台所でした。
毎日1200食が調理されていたと言うその台所、今でも残っているのはそのほんの一部のようです。
とはいえ、それだけでもかなりの広さ。食材が運び込まれてから調理され、お皿に盛り付けられてから運び出されるまでの流れが来場者にわかりやすいよう配置されているそうです。さらに専門家たちによって研究され、当時の様子を再現するための食べ物や食器などのレプリカがそこここに置かれています。
(※画像の順番はレイアウト通りではありません)

The great roasting fire.
このどでかいかまどで肉が焼かれていたのですね。
この火に薪をくべる係の男性、あまりの暑さにふーーーっ、とため息をついていました。
かまどの横に下がっていた道具やエプロン(前掛け?)

盛り付け用のお皿を置く部屋。

ここでレシピとか考えてたのかしらん?

ブッチャーのお部屋ですね。

買い物リスト?

調理部屋のひとつ。野菜やハーブが籠に入っており、パンなどもありました。


ヘンリーズキッチンショップ。
これらは売り物です。台所道具などの他にも瓶詰の食材、ワイン等もありました。
この画像端っこに写っている銅のフライパンが欲しかった。『かもめ食堂』を見てからというもの、ずっと銅のフライパンっていいなあ~と思っているのです。

それにしても中世の台所、間違いなく、食べ物以外のいろんなものが生息していたに違いないとふんでおります。衛生面、気になります。
ヘンリーの台所は「ここで寝たい」と思えるようなキッチンではないですね。「ヘンリーのじゃなくても普通は台所で寝らん。」って息子に言われそうだけど。

日常茶飯事

数年の不在のあと日本に帰国した年、久々に実家の世話になり、それ以上に久々に草むしりをしたときのこと、雑草の根っこについた土のそのむせかえるような大地の匂いにうっとりとした覚えがある。
なんて懐かしい、故郷の香り。小学校でも中学校でも草取りは暑い時期の生徒の仕事で、毎年草取り用の竹べらを作っていかなければならなかったことを覚えている。その頃はただのchoreだった草むしりが大人になってやったら楽しかった。

夕食の後片付けを済ませたある日、床がベタベタしている気がして不要な布切れと木材磨き用のスプレーを手に台所の床磨きを始めた。その瞬間よみがえる、懐かしいような感覚。雑巾2枚も新学期になると持っていかなければならないもののひとつだったな。雑巾を使って掃除をするって毎日のことだった。
ベタベタだったキッチンの床も端から拭いていけば終わる頃には隅々までサラサラ、つやつや。雑巾がけって楽しい。だから木の床が好きだ。

ここでは電気湯沸かし器が一般的だけれど、私はホウロウのポットでお湯を沸かすのが好きだな。

トースターが壊れたときは、バザーで20ペンスで買った新品の焼き網を引っ張り出し、しばらくそれでパンをトーストしたけれど全然苦にならなかった。

窓が二重になっていない息子の部屋は冬冷える。エネルギー節約のためにも、この冬は暖房だけに頼らず毛布を足すべしと思っていたらチャリティーショップで状態の良いウール100%の毛布を£4.99で発見。ドライクリーニングに出す前に、お日様がかんかんのある秋の日、バスタブで足踏み洗いして干したら数時間で乾いた。やはり水にくぐらせて洗うと毛布も気持ちが良い。

日の短い時期は暗くなるとキャンドルを灯すことが多い。ゆらゆらと揺れる炎に心が和む。

母のミシンは足踏みミシン。彼女のお嫁入り道具のひとつで、あと数年もすれば半世紀経とうかという今も、それは現役で使われている。子供の頃は家庭科で使う学校の電子ミシンが羨ましかったものだけど、今は電気も使わずに動かすことのできるそのミシンが誇らしく思える。最近縫い物をすることが多いので、うちにあのミシンがあったらなあと思う。でもないので、いつも手縫い。最近はカーテンを縫った。なかなかの出来で、満足。

日々の雑事も好きな道具で、自分にとってちょうど良いペースでやると楽しいものだ。

ベルリンガー体験

我が家の近くには、この辺で一番りっぱな教会があります。
タクシーで帰宅するときなど、運転手さんがうちの住所は知らなくても、教会の名前を言えば伝わるので便利(?)です。
よくそこからカラララ~ン、カラララ~ンとめでたげな鐘の音が聞こえてくるのですが、そのたびに、なんとなく異国情緒を感じていました。

もう2年前のことになりますが、ある日知人が「私あの教会でベルリンガー(教会の鐘鳴らし係)をやってるの。一度練習を見に来ない?」
と誘ってくれたのでぜひにと家族でお邪魔しました。

冬のある夜、7時半に教会前に行くと知人が待っていてくれました。
メインエントランス横の小さなスペースに案内され、上を見上げるとこれ。
狭い螺旋階段。
これをおそるおそる上っていくと塔のてっぺんに着きました。
天井から何本ものロープが垂れ下がっています。
これはもちろん、鐘をひっぱって鳴らすためのもの。
ちゃんと音階(?)もあって何種類かパターンがあるそうで、私にはまったく解読できない、楽譜のようなものを見せられました。ベルリンガー達はそれを覚えなければならないので、毎週集まって練習しているのだそう。
私と茶助もやらせてもらいましたが、見るのとやるのとでは大違い。
鐘に引っ張られて上に上がりそうになって、最初にやった茶助を笑った私が今度は笑われる番に。

「どう?ベルリンガーやってみる?」
と親切にもスカウトしてくれる知人に、ははは、考えてみるねと返事をして、おいとましました。
教会ってこういう信者の方たちのボランティアで成り立っているのですよねえ。毎週日曜に礼拝に集うだけでなく、誰かの結婚式の時はベルを鳴らして。
こんな貴重な体験をさせてくれた知人に感謝、感謝でした。

さて、行きはよいよい帰りはこわい。
てっぺんから見下ろす螺旋階段は正直、高所恐怖症気味の私にはきつかったッス。

Monday 10 October 2011

プラムソースな午後

茶助はチーズケーキが食べるのも作るのも大好きなのですが、これは一番最近のもので、今までで一番よくできたと本人が言っています。
私もそう思います。
しかも今回は手作りのプラムソースがまたケーキによく合っていました。

実は私の友人がチーズケーキが好きだと言っていたそうで茶助が「じゃあ僕が作るから」と彼女をお茶に呼んでくれていたのです。
それで昨日は友人と彼女のご主人と私たち夫婦で、茶助のケーキをいただきながら4人の共通の趣味(?)映画の話でおおいに盛り上がりました。
以前私がフランス映画が好きだと言ったのを覚えていてくれて、彼らおすすめのフランス映画のDVDをたくさん貸してくれました。
その中に私の大好きな映画『愛と宿命の泉』の二部作が!
大好きとは言いながら、もう20年以上も昔に映画館で見たっきりで、また見たいとずっと思っていたので本当に嬉しい。
そしてフランス映画ではないけれどダンカン・ジョーンズのMoonも持ってきてくれていました。
実はこれ私も茶助も大好きな作品で、4人のいい大人が映画オタクよろしくいかにMoonが素晴らしいか、いかに音楽がよかったか、どんなにサム・ロックウェルを気に入っているかを語り合ったのでした。

ああ楽しかった。

Sunday 9 October 2011

アジア風鶏の揚げ焼き


フリーザーバッグにこぶみかんの葉、ターメリック、ナンプラー、オイル、にんにく、黒砂糖などを入れて鶏をマリネし、揚げ焼きにしたもの。
しかしこれ、次からはオーブンで焼こうと思います。
水分が多いものだからはねるわはねるわ。うかつでした。
夕食後にターメリック色になったカウンターと床を掃除するはめになりました。
でもおいしかった。

ライムをぎゅっと絞っていただきます。

Saturday 8 October 2011

カラフルでべジタフル

今週届けられたお初野菜たち。
右上から時計回りに紫コールラビ、ロマネスコ、紫にんじん、ゴールデンビートルート。

昨夜の夕食にヤマウズラのハーブ焼きとともに軽く熱湯にくぐらせてからガーリックソテーにしていただきました。
正直言うとヤマウズラもロマネスコもレシピをきちんと調べずに、夕食に間に合うように急いで料理したのでベストな調理法だったかどうか。でもブロッコリーのような味のカリフラワーと申しましょうか。おいしかったです。

初めての食材は料理するのも食べるのも楽しみ。

Thursday 6 October 2011

親しみやすいレシピ、飾らない語り口

この秋は(も?)料理の新番組がけっこういろいろあるのですが、初回でなんだか好きになってしまい楽しみにしているショーがひとつあります。それは、BBC2で放映されているロレイン・パスカルのHome Cooking Made Easy
簡単な家庭料理というだけあって少ない材料で、できるだけ面倒くさい手順を省いて簡単にしたレシピばかり。メモを取る必要もないくらいシンプル。(普段はニワトリさんの記憶力しかない私も食べ物がからむと火事場のなんとやらで記憶力がアップするのか?)
しかも目から鱗のテクニックやヒントがけっこうあるのです。そういうところはジェイミーと共通しているかも。
彼女の今回の番組は初回の視聴率もかなり高かったよう。
思うにジェイミーやナイジェラは今さら生パスタの作り方なんて彼らの番組でやらないから、かえって新鮮なのではないでしょうか。とてもおいしそうで作ってみたくなりましたもん、ロレインの黒胡椒のパスタ。
私が好きになったポイントは彼女の飾らない語り口、キビキビとした動きでしょう。それから来月で39歳とは思えないすきっ歯がキュートな笑顔が魅力。美人なだけでなく、かわいいですホント。それとレストランで働いた経験があるためか、技術もちゃんとある人のように思います。間違ってもりんごを不器用にピーラーで剥いたり(ソフィー・ダール。あれを見たときはちょっと肩がスカッとなってしまった)、煮汁でぐつぐつ煮たジクジクの鶏の醤油煮を「照り焼きチキン」と呼んで紹介したり(ナイジェラ・ローソン。彼女が照り焼きの意味を知ってさえいたら・・・)はなさそうです。

元モデルと聞いて敬遠して1月に放映していた同じくロレインのBaking Made Easyは見なかったのですが、BBC iPlayerで見たらこちらもまた目からウロコのレシピやヒントがあり作ってみるのが楽しみです。

Baking Made Easy on Youtube

↑イギリス以外にお住まいでiPlayerが見れない皆様のために。
BBCなので一定期間が過ぎたら見れなくなる可能性大ですが。

今回この記事を書くにあたって彼女のことをネットでリサーチしてその生い立ちや経歴を知りました。現在の彼女の印象は野心旺盛でハングリーで(空腹の方じゃなくて精神の方です)努力家。地に足がついている印象はここから来ていたのね。

興味のある方はどうぞ↓
生い立ち
経歴
ロレインのウェブサイト

Wednesday 5 October 2011

チャイ

カルダモンをきかせたホワイトチョコトルテを作っていたのですが、間違って倍量のカルダモン液を作ってしまいました。
捨てるにしのびなくてチャイに変身。
いつもは砂糖はまったく入れないか、はちみつを入れるかなのですが、今日はカルダモン液に粉砂糖がたっぷり入っていたのでものすごく甘くて、偶然にもマレーシアで飲んでいた生姜ミルクティーを彷彿とさせるものができてしまいました。
こうしてガラスのコップに入れるとけっこう雰囲気出ます。
泡がまたそれっぽい。

肝心のホワイトチョコトルテはさっきオーブンの様子を見てきましたが、どうやら失敗。
でも予想はしていたので大丈夫。

ずっと以前にチョコレート専門店でカルダモン入りのホワイトチョコレートを買ったらすごくおいしかったのでトルテも作ってみたかっただけ。
今度作る気になったらもっとよくレシピを考えてから作ろうっと。

Tuesday 4 October 2011

ナルトビートルート

テーブルビート。
ここではChioggia beetrootと呼ばれています。
candy cane beetsと呼ぶのはアメリカ人か?

私はこれをナルトと呼んでいます。
生でサラダにしてもとてもおいしいと書いてあったからその言葉を信じて試してみたら、渋かった。
あれがもしかしてJamieが言うところの”earthy”?
ともかく、生食は私にはハードルが高かったのでラムと一緒にローストしたのですが、今度サラダにする時は他のビートルートと同じように皮のまま茹でるかローストしてからにしようと思います。

Monday 3 October 2011

インディアンサマー

先週1週間、イングランドは素晴らしいIndian summerを楽しみました。
高い空、直球ボールのような日差し、誰もかれもが嬉しそうなのがなんだかおかしかった。

でもこの国の人達は雨が降ってもそれを楽しむ才能を備えていて、ある日ご近所さんと彼女の小さな娘が全身防水服+長靴のいでたちで帰ってくるのに出くわしたので「散歩?」と聞くと「水たまりで遊んできたのよ。彼女(と言って娘を見る)が水たまりにジャンプして入って、マミーもやりなさいって目で見上げるのよ。」と。
なるほど。だからマミーも全身防水なのね。(笑)

彼らとはご近所さんの中で唯一ちょっとだけ付き合いがあって、ほんの時たまですがお互いの家でお茶します。前回来てくれたときは3歳の娘ちゃんの言葉の発達が目ざましくておもしろかったです。
彼女が台所に行くので棚の中が見たいんだなと思って戸を開けてあげると、どうやら10キロのお米の袋に興味を持ったよう。そして、
You take it out. I can't.
って言うのです。自分には持てないって、見ただけでちゃーんと判断してる!すごい成長!とちょっと感動してしていると、次は袋を開けてと言います。お米が欲しいの?と聞くとうんと言うので小さなビニール袋をあげると袋に手を入れて、床に盛大にこぼしながら手づかみでお米を袋に入れ始めました。
けっこうな量がこぼれてしまったので
「もういいね。」
と袋の口をしばって手渡すと、今度は彼女ダイニングテーブルの椅子をひいて座り、わたし、いま食べるのと言う。。。でもcookしないと食べれないのよ、と私がちょっと困っているそれを察したのか居間で話している彼女のお母さんのところに戻り、たった今彼女が見たもの得たもの(笑)のことを報告していました。

彼女を見ながら思い出したのは私の姪っ子。
義姉の娘の彼女、義姉のことをMumと呼びます。
子供のことはよくわかりませんが4歳くらいだと(とくに女の子は)まだMummyと呼ぶのが普通だと思っていたのでちょっと意外でした。
ちなみにアッパークラスの女の子によく見られるのが成長しても両親のことをマミー、ダディと呼ぶこと。テレビでファーギーの娘のプリンセス達が”マミー”が云々と言っていたので夫にたずねると、上流階級には多いのだと言っていました。もちろん、上流階級ならどの家庭もそうかというと、そうとは限らないのでしょうけど。

ある時叔母が話してくれたのですが、母が妹を出産するとき、しばらくの間私は叔母の家に預けられていたそうです。2歳半だった私は母恋しさに夜な夜なこっそりと泣いていたそう。しかし言葉はかなりはっきりしていたらしく、叔母の家の前で近所の子供と遊んでいてもよおしてしまうと、
「ちょっと待っとって!おしめ替えてもらって来るけん!(おむつ替えてもらって来るから)」
と言ってとことこと歩いて戻ってきていたのだそうです。

・・・・・そんなにしゃべれたのに、なぜ自分でトイレ行けなかった、私?

ともかく、子供の自立をせっせと促していた叔母がそんな状態を放っておくはずもなく、預けられていた期間で叔母は見事に私のトイレトレーニングに成功したのでした。

さてお天気。
残念ながら昨日の夕方から夜中にかけて雨が降ったとはいえ、今週もそんなに悪くはなさそうです。
とはいえ、イギリスの天気予報はあんまりあてにならないので(何言ってるの、”全然”よ!という声も聞こえてきそうですが)これまでの経験で培われた自分の『勘』も頼りにしなくてはいけません。
本日の空、ちょっと曇りがちですが(しかもぽつぽつっと一瞬降りましたが)たぶん夕方まではもつでしょう。
洗濯物は外に干して出かけるとします。