Wednesday 31 March 2010

しいたけとキノコのリゾット

ポルチーニなら近くのイタリア人のご主人が営むデリででも、スーパーでも簡単に手に入るけれど、日本産の干ししいたけは私にとっては貴重なものです。
妹が以前送ってくれた干ししいたけ、今晩はリゾットに。
白ワインの代わりに新潟の純米酒を使いました。
あまりくせのないイタリアンパセリ(ここではflat parsley呼ばれます)をちらして彩りよく。
しいたけのもどし汁のうまみで、たった5つの材料で作ったとは思えないほど満足感のある味になりました。

Tuesday 30 March 2010

チョコレートを選ぶ

今年もイースターが近づいてきました。
イースターエッグを買うか買わないかでちょっと考えています。

西アフリカ、ガーナで児童労働があっているのは有名な話で、私も聞いたことはありました。
カカオ農園では学校に行っているべきの年齢の幼い子供たちが働かされていると。
でも実際にチョコレートを買うときに考えたことはあまりなかったのです。
なぜならチョコレートを買う時、気にしていたのはカカオの原産国のことよりオーガニックかどうか、Fairtradeかどうかということのみだったから。
しかし先週BBCのドキュメンタリーで、世界中のカカオの60%を供給している西アフリカのガーナやコートジボワールのカカオ農場での児童労働の実態を知り、そんなに簡単にチョコレートを買い物籠に入れることができなくなりました。
彼らの中にはさらわれたり、親や親類に売られたり見捨てられたりしてカカオ農園に連れてこられた子供たちも多く、学校にも行かずに長時間macheteを使った、とても安全とはいえない仕事をさせられています。
なんともせつなかったのは、コートジボワールのカカオ農園に買い手と偽って潜入した記者が、そこで働く男性と彼の8歳の弟と11歳の息子にキットカットをあげた時の彼らの表情。
初めてそれを食べた男性は「とても甘い。こんなものを食べれれば働くエネルギーになるね」と言い、子供たちはその美しい目をきらきらさせて、胸をしめつけられるような笑顔でチョコレートを味わっていました。
彼らが初めて口にしたそのネスレ社の”Fairtrade ”Kit Katにはその8歳の子供が学校にも行かず、一銭ももらわずに収穫したカカオが使用されています。
CadburyやNestléがFairtrade商品を売り出したと聞いたときは、マーケティングのひとつでしかないだろうとは思いましたが、この番組で最も暗澹とさせられたのはDivineのようなethicalな会社でさえ、その商品の原料を作るカカオ農家の実態を把握しきれてはいなかったということです。
このドキュメンタリーの話をあるOxfamショップのマネージャーにしたら、彼女も同番組を見たそうで、Divineのチョコレートのカカオを供給しているCo-opのKuapa Kokkoの調査をしたのはOxfamなのだと言っていました。
つまりそれだけの組織をもってしても、西アフリカでのカカオ農場の児童労働を簡単に減らすことはできないということなのですね。そもそも、そんなに簡単に世界が変わればOxfamのような組織は存在する必要がないわけですから。

さて、イースターエッグ、どうする、茶助?
ガーナの子供たちが奴隷労働させられてできたチョコレートを、何食わぬ顔で自分の息子に与えることはできないって?
じゃあイースターエッグ買うのやめとくか。
でも子供の楽しみを奪うのもかわいそう?
そうだよねー。
じゃ、今年もまたOxfamでDivineのイースターエッグを買おう。
少なくともDivineに関してはまだ透明性があるし。
それにOxfamで買えばその利益はそういった貧しい国々のために使われるよ。

それが今の私達にできるベストな選択かな。

Monday 29 March 2010

ポリッジ記念日

イギリスでporridgeといえばオーツのミルク粥のこと、らしいですね。
日曜日の朝食に茶助が作ってくれました。
もちろん、Hughのレシピを見て。
「ごめん、本当はもっとrunnyな方がいいんだ」、と言っていましたが、いえいえ、なかなかおいしかったです。
さきほどから何度も画像をアップしようとしているのに、Bloggerの方がおかしいのか、表示されません。
なんで???
なのでとりあえず画像なしで、初ポリッジ記念日。

Friday 26 March 2010

スモークサーモンのケジャリー


今までも何度か登場しているケジャリーですが、また登場です。

これはスモークサーモンをたっぷり使ったもの。
Inverawe Smokehouseとかいうところのものですが、とても香ばしいというか、かぐわしいというか。
これならベーコンみたいで自分にも食べれると生意気にも息子が言っています。

本を読もう

今日は食べ物とまったく関係なく、マニアックなこと書いています。
なんだかブツブツとつぶやきたい気分なのでお暇な方だけおつきあい下さい。

夫はとても読書家です。
いつも、いーーーっつも本を読んでいます。
本好きだけあって、その審美眼というのですか、選択眼はなかなかのものです。
一斉を風靡し、映画化もされたあるベストセラー小説も彼にかかると、
「もちろんどんどん読めるさ。読者が引きこまれる本だよ。しかしナンセンスでclicheだらけのtrash。」
らしく、だから私読んでません、その本。

彼の好きな作家の1人はウンベルト・エコで、エコの書いている対象こそがまさに、その例のベストセラー作家のようにナンセンスを本気にしている類の人たちなのだそうです。
私はエコは読んだことはないですが、映画「薔薇の名前」はとても好きでした。

夫に、どういう考え方が具体的に右より(右翼)で左より(左翼)なのかとたずねようものなら、
「またその質問か。だから前から言ってるだろう、
僕の持ってるスティーブン・ピンカーの本を読めばわかるって。」
とすぐ本を引きあいに出してきます。

ムッ!!

っとする私。
「だから前から言ってるじゃんっ、
君の持ってるスティーブン・ピンカーの本は日本に置いてきてるじゃんって。」
と心の中でつぶやき、わざと足を踏んづけて
「あら、ごめんあーさーせ」
と言い捨ててすたこらさっさと去る。
茶助がこういう物言いをする時は仕事でストレス溜まってる時なのでそうっとしておいてあげるのがいいのです。(足は踏みましたけどね)

そんな本好きの夫は、よく人にも本をプレゼントします。
一番最近もらったのはデンマークの作家、Peter Høegという人の本。
私がこのごろデンマークに興味を持っているからだそうです。

私もごくたまに彼に本を贈ります。
でも私は多読家ではないのでどんな本なら茶助が喜んでくれるのかほとほと選択に困り、前回の誕生日にはドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」と「罪と罰」をあげました。
これなら絶対おもしろく、茶助も楽しめるだろうと思えるのがそれくらいしかなかった。

ところが。。。

あのbookwormが、途中で投げ出していたのです、
こともあろうにあの名作、いえ傑作を。。。。。
2冊とも、どっちも。。。

えええっ?!

1行で書けることを半ページにも渡ってつらつらと書くそのスタイルがどうしても性に合わないのだそうです。でもそれってなんとなく村上春樹にもいえることじゃない?それに私に言わせればミラン・クンデラの方がよっぽどつらつらタラタラ書いてますけど???(どちらも素晴らしい作家ですが)

その登場人物とテーマの普遍性がドストエフスキーの本のおもしろいところなのに、そこに行き着く前に読むのやめたらおもしろくないに決まっているよ。

でもま、しょうがないね。
好みだものね。

ところで私、本当によく本をプレゼントされます。
というか、くれる人はだいたい決まっていてもっぱら夫か、アメリカの物書きを本業、大学教授を生業とする友人。最近は妹もときどき文庫本を送ってくれます。
さらに自分でも買うので狭い我が家の申し訳程度の本棚には、まだ読まれずに積読になった状態の本が山のように・・・。

これを2020年までに全部読み終えるのが私の今後10年の目標です。

Sunday 21 March 2010

白いスープと赤いサラダ


非常に見づらい画像になっております。
ライトのせいで色がわかりにくいですが、バタービーンズ+セラリアク+玉ねぎの『白いスープ』です。その向こうはオーブンで70分ほど蒸し焼きにし、冷ましてからタイムのドレッシングで和えたビートルートの『赤いサラダ』。この日はお昼に肉類をけっこう採ったのでたんぱく質は少しのエダムチーズのみで。

そしてこちらはパースニップ、にんじん、セロリ、たまねぎ、ひよこ豆のスープ。
クルトンは息子がちゃちゃっと作ってくれました。
これとカマンベールとパンで夕食。


上のどちらのスープも、Nigel SlaterがBBCのSimple Suppersで作っていたAdaptable Bean Soupのレシピがベースになっています。
このNigelのスープは一度作ったら夫も私もやみつきになってしまい、何度も作っていますが食べ飽きません。おろしたり、削ったりしてまわりの硬い部分(rind)のみになったパルメザンチーズをまるごとぽんとお鍋に入れて煮るのですが、これがコクのもととなり、オレンジの皮が決め手。その香りがなんともいえません。
ただ、上の派生スープは両方ともパルメザンチーズはなしで作りました。

息子が家でもアップルパイを作ってくれました。
「やっぱラードがないとショートクラストのサクサク感が出ない」
だそうです。

はい、じゃ今度買ってこよう。

Saturday 20 March 2010

ベーコンの使い道

Pork bellyを使った自家製ベーコン、サンドイッチやパスタはもちろんのこと、お弁当にも使いました。

野菜とベーコンの炒めものと鹿肉ハンバーグの2品弁当。
鹿肉のハンバーグには豚ミンチを同量使いました。
イギリスでは合挽き肉は売っていないようなので、牛肉でハンバーグを作る時もそうします。
ヘルシーではないかもしれないけれど、そのほうがおいしい。

そして、今シーズン最後の鹿肉はシチューに。

実は、ベーコンを作ったのはこのシチューが作ってみたかったからでもあります。
ヒュー曰く、ワインは少量にして、ベーコンを入れることで、その脂肪分で鹿肉がしっとりとなり、ことこと弱火で2、3時間煮込むことでやわらかくなると。
本当にそうなりました。
力を入れなくてもスプーンで簡単に切れるほどやわらかく。
レシピにはないパースニップやポートベロきのこ(?)もたくさん入れて野菜たっぷりに。
これにロメインレタスのサラダとパンで晩ごはん。

撮りためていた画像を載せるため、駆け足でまいりました。
残りはまた今度アップすることにして、そろそろ夕飯の支度をせねば。。。

Hughの自家製ベーコン

誕生祝いにとお友達夫妻からいただいた、敬愛するHugh Fearnley-WhittingstallのRiver Cottage Everyday。
それはこのところ常に、『もっと野菜、肉、魚料理のレシピがバランスよく載っていて、サンドイッチではないpacked lunchのアイディアが豊富に紹介してある本が欲しい』と思っていた私の心を見透かしたかのような内容です。眺めているだけでも幸せ、読んでも楽しく、実際作ってみたいと思えるレシピがたくさん載っています。
そのうちのひとつがhome cured bacon。
しばらく前になりますが、豚バラの塊1kgで早速試してみました。
塩、黒砂糖、 juniper berry、そして月桂樹の葉をよーくもみこみ、寝かせて洗って保存するだけ。





スモークしないので手間もかからず、安全に、しかも安価に自家製オーガニックベーコンのできあがり。

先日、最近の私は ”いろんなものが常にお皿の上にのっている状態” で ”頭の中は常に満杯” だと書きました。
それは息子の進路のことだったり、仕事のことだったり、その他にもいろいろあったのですが、ようやくひと段落ついたので、今週は本当に久しぶりに、ゆったりした日曜日を過ごせそうです。
あ~ようやくテキスト以外のもの、資料以外のものが読める!
TVも映画も見れる!!
まずは読みかけていたIan McEwanのAtonementの続きを読もうかな。

Wednesday 17 March 2010

羊乳のチーズ

3月も半ばを過ぎました。
昼間外を歩くと、Tシャツやタンクトップで歩いている若者たちをよく見かけます。
私はというと、いまだにセーターの上にコートといういでたち。
熟女はあの若者たちの格好に騙されてはいけないのです。
太陽は暖かくとも、風は冷たいのです。
第一、彼らは真冬の朝8時にタンクトップで歩く人種デスカラ。
といいつつ、昨日はさすがにコートは暑かったかな。

それはさておき、少し前のことになりますが、私は初めてイギリス産の羊乳のチーズを食べました。
山羊乳のチーズならよく出回っていますが、羊は初めて。

(パッケージも ”sheep” milkとちょっと主張)

味はにんにくとハーブの風味のせいなのか、おかげなのか、普通でした。

山羊乳のチーズと、おいしい天然酵母パンとともに。


ところで、フェタチーズって山羊乳チーズなのかと思っていたのですが、ギリシャ産のものは羊乳も入れるよう定められているとか?詳しくないので知らないのですが、とにかくフェタ大好きです。
ギリシャ風サラダに入れてもおいしいし、川津幸子さんが「100文字レシピ」で紹介されていたようにオレガノとオリーブオイルをかけただけでもとてもおいしい。

   * * * * * * * *

ここのところ私のお皿には常にいろんなものが乗ってる状態でした。
それはさながら、数人の人と同時に交際をしているようなもの。
レイフとの付き合いが一番大事だけど、ジョニーもかなり大事。ラッセルだってないがしろにすることはできないし、ヒューやバリーにだってきちんと時間をさいてあげないといけない。そんなところにヴァンサンまでが加わり、常に頭の中は満杯状態で、夜いつまでも眠れなかったり、心配のあまり胃から酸っぱいものがこみあげてきて吐き気がしたりと、我ながら気が小さいけれど、そんな日々が続いていたのでした。
茶助によると、寝言でまでブツブツ言ってたそうで。
しかし今日こうやってのんきに羊乳チーズのことなんかつらつらと綴っているということは、そのうちの何人かとは無事にさよならできたということで。

ああ、空気がおいしい。

あともうひとふんばり。

Tuesday 2 March 2010

陽だまりとおやつ

昨日の一時的なあられを除けばほぼ終日やわらかい陽射しがそそいでいます、3月の1日と2日。
気温も緩んで風もさわやか、昨日はここ数ヶ月ぶりで初めて、洗濯物を外干ししました。しかもタオルのような厚地のものだったのに乾いたので、おお、春だなあと小さく感動。

2月の最後の最後にひいてしまった風邪で頭がぼおっとしてはいますが、じんわりと気分が明るくなってくるのが春の効用。

さて、息子が調理自習でアップルパイを作ってきました。
実は私も買い物に出かけて、懐かしいおやつを見かけてつい買ってしまったので、今うちは甘いものだらけです。

なつかしのOnde Onde。マレーシアで何度か食べたことはあるけれど、こんな名前だったと初めて知りました。

パンダンシフォンケーキ。上のonde ondeと共に添加物&Eナンバーいっぱい入っていますが、いいのです、この際。

息子作アップルパイ。

まだ温かい。
鼻をふくらませて誇らしげに蓋をとる息子。
わあー、おいしそうだね、と期待に目を輝かせて見つめる私。
キラキラキラ・・・・・

え?ひと切れ50Pで買え?

いくらおこづかいを貯めてiPodを買うつもりとはいえ、親相手に商売をする気なのか君は。