Tuesday 9 February 2016

マラケシュレモン

今年のマーマレード作りのためのセヴィルオレンジを注文しようと、いつもお世話になっているAbel&Coleのウェブサイトを見てみると、なんとベルガモットレモンが!!!

メールでもブログでも極力びっくりマークを使わないようにしている私がみっつもつけたくなるくらい興奮いたしました。数年前地元のヒップな八百屋さんで一度だけ見かけたことのあるレモン、私にとってはまぼろしのレモンがベルガモットなのです。
私の持っているマーマレード本にもベルガモットレモンのマーマレードのレシピが載っており、それがいかに手強い果物であるかを読み、武者ぶるいしていたのです。(まー大げさな)作ってやろうじゃないの、ベルガモットのマーマレード!って。ぶるっ。
しかし、届いてから切ってみると、あれ?到底食用にできないほど苦いって書いてあっけど、苦くないぞ。
どうもおかしいと思いさらにインターネットで調べる。。。
結果から言うとAbel&Coleでベルガモットレモンとして売られていたこのレモンは紅茶のアールグレイに使われる類の本物のベルガモットではありませんでした。この丸っこい小さめのレモンは、正式には Marrakesh LimonetteとかCitron BeldiとかSweet Lemonとか色々な名前で呼ばれ、フランスではベルガモットの呼び名で売られていたりするそうです
なるほど、写真で比べると全く違いますね。

しかしそうは言ってもこのレモン、なんと芳しいことか。花のような香りがしますし、汁と皮をサラダに使ってみたら存在感たっぷり。こんな美しいレモン、保存食にして1年中楽しみたい。

これまで作ってきたのはいつもシングルモルトウィスキー入りのセヴィルオレンジマーマレードでしたが、今年はこのレモンを一番の主役にしたいのでお酒はジン、お砂糖は、色を考慮して白砂糖にしようかと迷いましたが、やはり風味を優先したいのでいつもの無精製生砂糖。

おせっかいを承知で。お砂糖、コーヒー、紅茶、バナナはまずおいしいかどうかはもちろんのこと、フェアトレードか否か、さらに有機であれば言うことないという優先順位で選んでおります。この4つの食物は経済的に豊かでない国から来ている確率が高いと思うので、フェアトレードであるのはかなり重要じゃないかなと個人的に思います。

最初のは、レシピに頼らず作ろうとしてサラッサラッのマーマレードソースが出来てしまった。自分の力を過信するとこうなるといういいレッスンでした。チーン。
でも味はきゃーっと乙女声出したくなるほど美味でした。
あまりに美味しかったのでそのままソースとして保存しようかとも思ったのですが、13瓶も出来てしまったし。ううむと悩んだ末にブラムリーという調理用リンゴをジャムにして加えて煮詰め直しました。無事、ソースからマーマレードに昇華しました。
こちらは反省を生かして、レシピにほぼ忠実に作ったもの。拍子抜けするほどあっさり出来上がりました。でもやっぱり砂糖の量はレシピの分量より少し減らしました。どうも一般のレシピだと私には甘すぎるので。でも人にあげることを考慮して、苦味を残しつつ十分に甘さを感ぜられるほどの量は加えました。夫は義母にあげたいと、なんとも嬉しいことを言ってくれます。もちろんいいですとも。こんな美味しいレモン、我が家だけで食べるなんてもったいない。

ふと思い出してJamie Doesと言うレシピ本のモロッコのページに載っているレモンの塩漬けの写真を見てみると、思った通り、ジェイミー・オリバーが使っているのは独特のでべそが愛らしいこのマラケシュレモンでありました。初めて塩漬けレモンを仕込んだ時に、写真を見ながら小さいレモンだなーと思っていたんですよね。
もちろん大きな瓶に塩漬けしましたとも、マラケシュレモン。1ヶ月後が楽しみです。

この季節の楽しみ

最近つくづく、季節ごとにその時々の野菜と果物をたっぷり楽しむのが健康の秘訣だと思います。もちろんそれだけではなく運動や(ああ耳が痛い)ストレス解消(ふーーっ)も大事ですが。
冬といえばウチではこれが欠かせません。ブラッドオレンジが出回っている間中、毎朝絞って飲むのです。ぎゅっと絞って、ごくごく飲んで、1日をスタートする。柑橘の匂いを嗅ぐだけで冬の鬱が晴れるような気がしますし、そのおかげか、風邪知らず。そんな、ブラッドオレンジだなんて高いわと知人に言われたことがあるのですが、幸運なことに知り合いの八百屋さんに頼めば市場に行くついでに買ってきてくれるので6キロが7、8ポンドなのでお財布だっていたみません。その市場ではシシリー島産のものが主なようです。

この季節のもうひとつの楽しみは、これ。
セヴィルオレンジが出回るようになると早くマーマレードを作らないととソワソワします。スペインやイタリアからやって来る様々な柑橘類が豊富な間に、1度でもいいからキッチンにこもって柑橘の香りに包まれながらひたすら汁を絞ったり、皮を刻んだりする1日を過ごさないと、花火を見ずに夏を過ごしてしまったような気分になってしまいますから。

Sunday 8 November 2015

土鍋でつくるキジとフェンネルのタジーン

 きょうはウチですっかり珍しくなった、肉料理です。
秋はgame=狩猟肉の季節。食べるのはgameだけにしているので春夏はあまり縁のなかった肉料理ですが、この時期は週に1度くらいは食べることにしました。
とはいえ、今週は宅配でなぜか2羽も届いたため、どどんと土鍋いっぱいです。3食分くらいありそう。

キジはよく洗って余分なところは思い切って取り除きます。処理が大雑把にしかしてないことがほとんどなので、皮の下にも埋もれている羽を除くため、皮もはぎます。きれいになったらもも肉とむね肉を切り分けます。
お肉でタジーンを作るときはいっしょに入れる野菜を考えるのが楽しいです。今回はシャロット、フェンネル、セロリをたっぷりと。タイム、レモンの塩漬け、それから台所の窓辺ですくすく育っている月桂樹の葉も入れました。
まずお肉を両面焼いてからいったん取り出し、次にシャロットと塩胡椒を加えて炒め、それからフェンネルとセロリも加えてさらに炒めます。本来ならお酒は入れないのかもしれませんが、個人的にここでお酒をグラスの半分ぐらい加えたい。白ワインかヴァムースがあればそちらを、なかったので日本酒を使いました。じゅーじゅーとアルコール分をとばしつつ、ここでお肉を鍋に戻します。野菜のじゅうたんの上に並べて寝かせてあげる感じ。材料がヒタヒタになるくらいお水を加えたらタイム、月桂樹の葉、クシ切りにしたレモンの塩漬けをバランスよく配置し、あとは蓋をして1時間半から2時間ほど、コトコト煮込むだけ。いったんとろ火にしておけば放っておいても土鍋がお肉をほろほろに柔らかくしてくれます。

クスクスもいいけど、きょうは雑穀ごはんといただきました。大のお気に入りのローズハリサをたっぷり添えて。